昔からよく聞く「ランニング(有酸素運動)は20分以上走らないと脂肪燃えないよ」って話ははたしてほんとなのでしょうか?
脂肪燃焼は筋トレを行っている人にも大変興味あるところだと思います。ただ、筋トレだけしても多少は脂肪も燃焼されますが、大抵筋肉の上に脂肪が乗っている状態になります。かっこいい筋肉のカットを出すためにも有酸素運動の知識を少し学んでいきましょう。
ランニングは20分以上しないと脂肪が燃えない?
これは、はっきり言って嘘になります。20分続けないと脂肪が燃えないという言い方が不適切です。普段から使っているエネルギーの半分くらいは、脂肪でまかなわれているためにこのようなことはありえません。
運動をすると、エネルギー需要が一気に増えます。その分をどうするかというと、最初の段階では手っ取り早くエネルギーになりやすい糖質でまかなわれます。したがって、運動の開始時は、エネルギー全体の割合は糖質が大きく占め、脂肪の割合はグッと下がってしまいます。
その後、交感神経が活性化されてくると、アドレナリンやノルアドレナリンといったホルモンが増え、脂肪がさかんに分解されるようになります。すると、脂肪酸とグリセロールという物質が血液中に出てきて、今度はそれを取り込んでエネルギーとして使うようになります。そうなるまでには、たしかに15~20分ほどの時間がかかります。
ただ、脂肪は筋繊維の中にもあって、これはもっと早くからエネルギーとして使われ始めています。運動開始から15~20分後にエネルギーとして使われはじめるのは、皮下脂肪などの脂肪組織が分解された分ということになります。
ですから、ダイエットとして有酸素運動を行うのであれば、たしかに20~30分以上行ったほうがいいでしょう。しかし、筋肉中の脂肪が使われると、減った分を皮下脂肪などで補おうとしますので、必ずしも20分以上運動をしないと効果がないわけではありません。もう少し短い時間でも、長い目で見れば効果は現れます。
また、運動開始から10分ほどで交感神経のレベルが上がり、脂肪の分解もはじまります。そのタイミングで1度運動を止め、10分間休憩してまた再開したとすると、分解の働きはゼロにリセットされてはいません。「10分運動、10分休憩、10分運動」というやり方でも、20分続けて運動するのと同じ効果になります。インターバルを取り過ぎたら意味がなくなりますが、有酸素運動の分割は可能です。
以上が有酸素運動と脂肪燃焼の関係でした。筋トレと有酸素運動を行う場合は以上の内容をふまえて、筋トレを先に行うようにしましょう。すると、筋トレで最初の段階の糖質、また筋繊維の脂肪が減りますので有酸素運動に移行する時は、脂肪燃焼の割合を大きくすることができます。